この記事では、部屋のタバコの臭い消しの方法について解説します。タバコにはタールやアンモニアなどさまざまな成分が含まれており、臭いの原因となります。煙とともに広く空気中に舞うため、こまめに対策するようにしましょう。喫煙直後だけでなく染みついてしまった臭いの対策についても解説するので、部屋のタバコの臭い消しについて悩んでいる人は参考にしてください。
タバコを吸った直後の臭い消し方法
タバコの煙には複数の有害物質が含まれ、広範囲に広がります。タバコは1本吸うだけでも強い臭いが残りますが、直後の対応で軽減できます。タバコを吸った直後の臭い消し方法について3つ解説します。
換気をする
手軽な臭い消し方法として、換気があります。
喫煙中や喫煙直後、できる限りすぐに窓を開けたり、換気扇を回したりしてください。換気時は2ヶ所以上の通気口を作り、空気の通り道を作りましょう。
空気清浄機を使う
窓や換気扇がない場所などでは、空気清浄機の活用がおすすめです。また、換気をしても臭いが消えない場合は、部屋にタバコの粒子が残っている可能性があります。
活性炭フィルター付きの空気清浄機はタバコの粒子を取り込みやすいので、部屋でタバコを吸う習慣がある人は、ぜひ活用してください。
消臭スプレーを使う
タバコを吸うと広範囲に臭いのもととなる煙が舞うので、スプレーをかけて対応しましょう。
タバコに特化した消臭スプレーを使うと、特に効果を期待できます。壁や天井だけでなく、カーテンやソファなど布にも使用できるものがおすすめです。
部屋に染みついてしまったタバコの臭い消しの方法
タバコの臭いは放置しておくと、どんどん部屋に染みついて落ちにくくなります。頻繁に喫煙する場合は臭いを何度も重ねることになるため、しっかりと掃除する必要があります。
ここでは部屋に染みついてしまったタバコの臭い消しの方法について解説するので、参考にしてください。
エタノールで壁を拭く
タバコの成分には粘着性があるので、臭いが壁に付着します。臭いだけでなくヤニ汚れが目立つ場合は、消臭用エタノールを使って掃除しましょう。
エタノールには酸性の油分であるヤニを落とす効果があり、ドラッグストアなどで手軽に購入できるというメリットがあります。
エタノールを使用した壁の掃除方法は以下のとおりです。
- エタノールを空のスプレーボトルに入れる
- 壁にスプレーし、柔らかい布で拭き掃除する
なお、エタノールによって壁を傷めないか、事前に目立たない箇所でテストしてから本格的に掃除をしましょう。また、パソコンやテレビなどの精密機械のタバコ臭を掃除したい場合は直接スプレーするのではなく、エタノールをかけたキッチンペーパーやクロスなどで拭き掃除してください。
クエン酸で布製品を洗う
タバコの臭いは、部屋の中でも特に布製品に付着しやすい傾向にあります。部屋の壁や天井を掃除しても臭いが残っている場合は、寝具やカーテンなどの布製品を洗濯しましょう。
普段通りに洗濯するよりも、クエン酸を使うとより効果的です。
クエン酸とは酸性の成分で、アルカリ性であるタバコの臭いを消す効果を期待できます。ドラッグストアなどで購入できるので、常備するといいでしょう。
クエン酸で布製品を洗濯する方法は、以下のとおりです。
- 布が入るくらいの大きさのバケツに、クエン酸1に対して水40の割合でクエン酸水を作る
- はたきや掃除機でカーテンや寝具のホコリを落とす
- 布製品をクエン酸水に30分から2時間ほど浸け置きする
- 布製品を絞り、通常と同様に洗濯機で洗う
洗濯機に入れる際、クエン酸水が洗濯用洗剤のアルカリ性と混ざって洗浄力が落ちる可能性もあります。クエン酸水はしっかりすすいで絞ってから洗濯機に移動しましょう。
タバコの臭いがする部屋以外の原因と対処法
「部屋の壁や天井、布製品のタバコ臭を消したのにまだ臭う……」という場合、部屋以外に原因があるかもしれません。ここでは、タバコのにおいがする部屋以外の原因と対処法について解説します。
衣類・クッション
寝具やカーテンと同様に、衣類やクッションなどの布製品にもタバコの臭いが付着しやすいです。喫煙中に身に付けている服だけでなく、クローゼットに入っている服にも臭いが移っている可能性があります。
軽度な臭いであれば消臭スプレーで消せることもありますが、染みついている場合は別途洗濯した方がいいでしょう。
タバコの臭いが付いた衣類は、重曹を使って洗濯すると効果的です。
まず、衣類が入る大きさのポリ袋を用意します。袋の中に衣類と大さじ3~4杯程度の重曹を一緒に入れて、まんべんなく行き渡るように振ってください。
一晩ほど放置したあとに普通に洗濯すると、タバコの臭いが軽減できます。
自身が喫煙者の場合や部屋に喫煙者がいる場合だけでなく、外出先で喫煙者の近くにいるだけでもタバコの臭いが衣類に付着する可能性があります。衣類についたタバコ臭は広がらないうちに、早めに対応しましょう。
また、衣類の洗濯が難しい場合は、アイロンやお風呂の蒸気で消臭するという手段もあります。
アイロンのスチーム機能を使って蒸気を衣類に当てると、臭いの原因となるタバコの粒子が熱によって浮かび上がります。同様に、バスタブに湯気が出るくらいの温度のお湯を張ると効果的でしょう。浴室のドアやカーテンレールなどに衣類をかけて干してください。
身体
自身が喫煙者の場合に限らず、一定時間タバコの煙が触れる場所にいる場合も、無意識のうちに身体にタバコの臭いが付着してしまいます。タバコを吸わない人でも、カフェやオフィスなどで喫煙者の近くにいると、部屋に臭いを持ち帰ってしまうこともありえます。
タバコが直接触れる手をはじめ、肌や髪の毛もケアしましょう。
タバコを吸ったあとは、すぐに手をハンドソープで入念に洗うと、臭いが軽減できます。肌や髪の毛についた臭いは、除菌シートまたはウェットティッシュで軽くふいたあと、乾燥させてください。髪の毛の臭いが取れない場合は、軽く濡らしてからドライヤーで乾かすと、臭い成分を吹き飛ばせます。
また、タバコの臭いが付着してからできる限り早くシャワーで洗い流すことをおすすめします。
口
タバコの臭いは口にこもるため、こまめにケアしなければ口臭がひどくなります。
喫煙後には毎回歯磨きをするだけでなく、舌ブラシやマウスウォッシュなども併用することをおすすめします。
すぐに歯磨きが難しい場合は、口臭対策用のタブレットを活用しましょう。ただし、タブレットは応急処置のようなものなので、口内を全体的にケアすることが大切です。
部屋のタバコの臭いを消す際の注意点
ここまで、部屋のタバコの臭いを消す方法について解説しました。部屋のタバコ臭が気になっても、以下のような対応はかえって臭いをひどくする可能性もあります。部屋のタバコの臭いを消す際の注意点について3つ解説するので、ぜひ参考にしてください。
芳香剤や香水は使わない
タバコの臭いを別の香りで上書きしようと、芳香剤や香水を使うことはおすすめしません。タバコと別の香りが混ざることで悪臭が発生し、より不快な臭いになる可能性があります。
部屋のタバコの臭いには消臭剤を使い、別の香りを混ぜないようにしましょう。
空気清浄機はこまめに手入れする
部屋のタバコの臭い消しのアイテムとして、空気清浄機は有効です。ただし、こまめに手入れしなければ機能が低下し、あまり臭いを吸い込めなくなる可能性もあります。
特にタバコや焼肉などの強烈な臭いは大きな負担になるので、少しでも寿命を長くするために丁寧に手入れしましょう。
ホコリをキャッチする集じんフィルターや脱臭フィルターは、使用するとともにホコリや臭いの成分などが蓄積されていきます。
定期的な洗浄だけでなく、機能が低下する前にフィルターの買い替えを検討しましょう。
壁掃除の際には力を入れすぎない
長期間部屋の中でタバコを吸っていると、壁の全面にヤニがこびりつきます。長い期間をかけて蓄積されたヤニ汚れは頑固で、落とすのが難しくなります。
しかし、頑固なヤニ汚れを落とそうと力を入れて強くこすることはおすすめしません。壁紙の素材によっては、かえって素材を傷めたり破いたりしてしまいます。
賃貸の場合、壁紙を傷めることで修繕費用を請求される可能性もありえます。
また、壁紙のクロスのつなぎ目は洗剤や水分が染み込みやすく、壁紙がはがれる原因にもなります。壁紙の掃除は、軽い力で円を描くようにこすりましょう。
そして、洗浄力の高い強力な洗剤を使う場合は必ず目立たない所でテストしたあとに、問題ないことを確認してから本格的に掃除に取りかかってください。
部屋のタバコの臭いを予防する方法
最後に、部屋のタバコの臭いを予防する方法について3つ解説します。タバコの臭い消しの方法はありますが、掃除が大変なうえに、必ずしも完全に除去できるとも限りません。部屋にタバコの臭いが付かないように、予防策を把握しておきましょう。
窓を開けた状態で喫煙する
タバコの煙は粘度が高く、広範囲に広がります。締め切った部屋で喫煙すると、部屋全体に臭いのもととなる煙が付着してしまいます。
少しでも部屋の中の煙を逃がすためにも、できる限り窓を開けた状態で喫煙しましょう。ベランダや庭で吸うと部屋が汚れるのを回避できますが、トラブルには注意してください。
特に賃貸の場合、ベランダでタバコを吸うと、隣人の迷惑となる可能性も十分あります。そもそも部屋を含めて敷地内での喫煙がOKかなども踏まえて、喫煙ルールを確認しましょう。
部屋の広さよりもキャパシティがある空気清浄機を使う
空気清浄機は6畳用・8畳用など、部屋の広さによって作られていることがほとんどです。部屋でタバコを吸う場合、部屋の広さよりもキャパシティがある空気清浄機を使うことをおすすめします。
タバコの臭いは通常のホコリや生活臭よりも強烈なので、清浄機にかかる負担も少なくありません。キャパシティが大きな製品を選ぶと、タバコの臭い消しの効果を感じられやすいでしょう。ただし、製品によってはタバコの煙には対応していないものもあるので、必ず喫煙に対応したものを選びましょう。
また、置き型の消臭剤をセットで使うと、手間をかけることなく臭い対策ができます。
できる限り布製品を置かない
タバコの臭いはカーテンやソファなどの布製品に付着しやすい傾向にあります。そのため、できる限り布製品が置いてある部屋では喫煙しないようにしてください。
また、衣類やクッションなどの小さな布製品も、できる限り置かないことをおすすめします。
臭いが付いた場合は、すぐに消臭剤やクエン酸水で落とすようにしましょう。
まとめ|部屋のタバコの臭い消しはこまめ・早急な対応が大切
この記事では、部屋のタバコの臭い消しの方法について解説しました。部屋でタバコを吸うと、粘度の高い煙が全体に広がり、臭いも付着します。
できる限り喫煙のたびに消臭スプレーや換気で対応することをおすすめしますが、長い期間をかけて蓄積された臭いは簡単には落ちません。
エタノールを使った壁掃除やクエン酸を用いた洗濯をして、できる限り臭いを落としましょう。その際、壁は軽い力で円を描くように拭くことを意識して、破損や変色などには気をつけてください。
部屋のタバコの臭い消しの方法は複数ありますが、必ずしも完全に落ちるとは限らないため、予防することが大切です。喫煙の際には換気や消臭を心がけ、すぐに掃除・洗濯するといいでしょう。
部屋のタバコの臭いに困っている場合は、本文で紹介した掃除や洗濯の方法を参考にしてください。